ピースウォーカー

やっとのことクリアする。ここんとこ一つのゲームを集中してやっていなかったせいか、妙に新鮮な気持ちである。

表紙が新川さんというのも新鮮なMGSだらけのSFマガジンにて、矢野健二さんがおっしゃったように、ゲームで平和平和と説いているのに、平和のためになんたらだから、矛盾だらけの軍拡ばっかしている自分がいる。

MGS3」と「ダークナイト」を経て、すっかり有名になっちゃったフルトン回収を使い、メタルギアOPS同様、まるで全盛期のRUF並に、即戦力になりそうな兵士を乱獲。逆らう者は説得という名の牢獄行きにする。お前らは鬼か。アウターヘイブンはその名ばかりのヒトデナシの軍隊です。

今では核とメタルギア(笑)、戦車とアパッチをも保有する武装要塞国家になりつつあるけど、その努力の結晶もボスの息子に潰され、ミラーさんが、そのボスのもう一人の息子に殺されると考えていると妙に泣けてくる。しかも、クレジットでの「この作品を伊藤計劃氏に捧げる」で、本当に泣けてしまうから困ったもんである。

「第九地区」(2009年/米)に見られる「アバター」のデ・ジャヴというやつ

希望も残らないパンドラが実は地球。しかも蛮族が住みつくヨハネスブルクだったという映画

ドクター・マンハッタンがやったように爆散する肉体。指切り。飛び散る黒いゲロ。そして蛮族。潔癖むきだしの「ラブリーボーン」がアレ……だったのにどうしたんだ。監督が違えど、「怒りのヒポポタマス」を彷彿させるピーター・ジャイアニズムに溢れたこの映画をもっと称えるべきだと思う。あ、もう称えられているか。

搾取する側だったヌケ作な主人公が、いつのまにか搾取される側になって……という、異民族(エイリアン)に化けて、化かされて闘うという昔ながらの様式美というのは、「アバター」とまったく同じことをやっていて、しかもそういう内容のSF映画を同じ年に公開されたというのは、ある意味奇跡かもしれない。

片や異民族のカノジョを救うため、人類製パワードスーツと素手でガチンコし、片や異民族製のパワードスーツを装着し、エイリアン親子のため、対物ライフルやRPG弾幕に飛び込む。童貞イズムな拙僧にとっては、後者のほうが泣ける。泣けるにきまっているじゃないか。

ネタバレになってしまうが、「アバター」同様、「人間のカラダを捨てちゃうエンド」になってしまうけど、エビ異民族の見てくれがナヴィ族と比べて醜すぎるせいか。オチがギャルゲで例えるところの、トゥルーかバッドエンドであり、ヒロインとくっつくかくっつかないか、リア充かオタクなんかのそうでない者の格差見せられたようであり、なんだか拙僧が「アバター」と比べて観てしまったせいか、非情に鬱になり、クリストファーの「三年後に必ず戻ってくる」という台詞で涙腺にグッときてしまった……。

あ、あと「エビとセックスなんてしてない!」という台詞は「アバター」をある意味皮肉っているようで、個人的にお気に入りかも。

涼宮ハルヒの消失/2010年 日本

原作未読。京都のアニメでキャラの立ち位置を把握している程度なんだが、デッカイテレビというわけでもなく、それなりに映画として楽しめた。

改変後の世界で、風邪が流行っているという描写が、ゾンビ映画やボディスナッチャーのようで、なんかスゲエ不穏だ。舞台がサバービア的な地方都市というのも、このハルヒという作品そのものが、キャラクターコンテンツを逆手に取ったホラーではないかと思ってくる。

終盤のキョンの選択が「シーヘブンの壁際までやって来たトゥルーマン」の選択のようで、もしかしたら、情報統合思念体というものは、月の裏側で番組を演出しているエド・ハリスであり、マトリックスを司るアーキテクトであり、小宇宙のおはじきで遊ぶ宇宙人であり、惑星を製造しているビル・ナイなのかもしれないと思った。

暴力紳士

ああ……腐った女子なら溜まらんものだろうな。そうした脳の構造を持つ人間がいるなら、この映画で得られる幸福感は創造以上の破壊力を秘めている。トレーラーから想像した通りの腐りっぷりだったぞ!ホームズ×ワトソン。

結婚するんだ。というワトソン。俺を置いていくなというホームズ。ワトソンの妻を得意のロジックで妨害工作。ホームズのしたり顔。殴るワトソン。スゲェ嬉しそうな顔をするホームズ。で、人の婚約指輪を勝手に質に入れたりで……

……拙僧の脳はホームズが誘い受けであり、ワトソンはヘタレ攻めの図式が成り立っている。こういうのが、萌えである。幸福である。ホームズがワトソン宅に居候して、自堕落なヒッキーしてるという設定も何だか溜まらん。

こうしたやりとりを観ていて、映画館でひたすら一人でニヤニヤするしかない。ダウニーJrであることが、確信犯的に「トロッピック・サンダー」が(アイアンマン×スパイダーマン)この映画の伏線だったのかもしれないな。

同時代を舞台にしたノーランの「プレステージ」のように、時代考証を無視したとんでもアイテムでも出て来るのかワクワクしていたら、ショックガンもどきのショック棒だの、リモコン起爆装置ぐらいなだけで少しガッカリする。

ガッカリするんだが、モリアーティ教授の登場の仕方が、「バットマン・ビギンズ」とまったく同じだったので、モリアーティがジョーカーまがいの二人の仲を裂くような心理戦でも仕掛けたり、前述したリモコン爆弾使って、一般人と囚人とで命の選択でもしたり、巨大なディファレンス・エンジンだの、スチーム城でも浮上してくるんじゃないかと、意味不明にワクワクしている。

http://wwws.warnerbros.co.jp/sherlock/

公式サイトで聴けるんだが、ジマーの曲があまりジマーらしくない。よく分からんが、すごいテリー・ギリアム映画的だ。ジマー節が少ないジマーの曲は久々だけど、たまにはこういうのもいいな。サントラが欲しいよ……。

新年はマットハザードで決まり

http://www.d3p.co.jp/m-_-m_parotte_gomenne/

・URLから可笑しい。予告だけで、自虐度がセガガガ並だ。廃れたヒーローって、アレックスキッドを思い出すからやめてくれ。どうでもいいけど、冲方丁氏が、文章校正してるってどういうことかしら?やはり、セガガガなのか。シュピーゲルシリーズのように、単語の合間に「/」だらけなラノベなのにライトじゃない文章だったらどうしよう。

SFマガジンが1月、2月号だけで、5000円ってどういうことやねん。って怒り狂っているが、テッド・チャンスターリング、ギブスンから山田正紀円城塔など、ヌルいSF読者の節僧でさえも、知らない作家がいないという、百年に一度か二度かの終末規模の作家陣であったりして、背に腹は変えられないのか。今月、どうしよう……。

・デルトロの「ザ・ストレイン」と冲方氏の「テスタメントシュピーゲル」をようやく読み終えて、撮りためたNHKの「外事警察」と「タイムスクープハンター」と「坂の上の雲」を観ていて、「竜馬伝」の佐藤直紀のOP音楽があまりにも良すぎて、最近のNHKに外れはないなと感動していたら、いつのまにか、日付が2010年の1月7日になっていた次第です。課題が溜まっているがどうしよう。ロスコーへ何故か手紙を書き、スパイク・ジョーンズフィンチャーのウォーケンが踊ったり、死神になるPV時代を調べ、任天堂の広告戦略についてと、ゴジラのポスターデザインの変異で、生頼さんのデザインがいかに素晴らしいかについて、適当なことをだらだらパソコンに向かって書き続けています。どうして課題までゲームや映画の話なのか、自分でも意味が分からん。拷問だ。頼むから、右手でFFとCODを交互にやるな、新品1500円だったニンジャブレイドがガイデンより当たりだったなんて、節僧の脳みそが認識しないで欲しい。畜生、メタルウルフカオスがやりたい。

・やっとのこと「アバター」を観た。CG大会だの3D3Dと言っても、ジェームズ・ホーナーのスコアが鳴りまくり、シガーニー姉さんが母性本能剥き出し「これってカントクの好みでしょ?」な強い熟女萌え燃えキャメロン映画だったりする。それにしても、本作のシガーニー姉さん、還暦を迎えたと思えないぐらい、最高に姉さんキャラを確立しています。まさか、四度エイリアンを制した女が、エイリアンの外交官&研究者っていうのも、無意味に頷いてしまうんだが……。

まるでFFのような(だから、わざわざ予告で13の意味不明な3D予告を流したのか)パンドラ探訪や、エンドアの戦いを彷彿させる原住民対海兵マローダ軍団の大戦争やら、見所も十分で楽しめるんだけど、終始妙な違和感を感じてしまうのはどうしてだろう。基地での実写パートと、ナヴィ族との実にキャメロン的なディスコミュニティなアバターでのCGパートの繰り返しなんだけど、この流れが実に押井さんの「アヴァロン」的で、劇中の「どっちが夢か現実か分からなくなる」という台詞も、何となく押井さんのサブテーマ連想してしまい、もしかしたら、これは何らかのどでかいゲームであり、ナヴィ側の方が現実であって、実はパンドラは地球でしたな、CG皆無の現在のリアルな町並みのど真ん中で、浮いたCGのアバター主人公が右往左往するものになるのではないかと夢想し、ヒヤヒヤする。物語は概ね想像通りな、絵に描いたハッピーエンドだったけど、3Dの実写とCG空間の流れの中に展開されるソレは「アヴァロン」で描かれた、非現実での人が単なる数式に過ぎないという、不思議な向こう側の物語のようにも節僧には感じた気がする。

年末なのでいろいろ書いてみた


・FFに浮かれている世の中に背を向けて、クリスマスのワゴンセールで買ったODSTをピコピコやっていたら、音楽の完成度の高さに感動する。個人的にこのシリーズでのスコアでは一番じゃないかと思う。すぐさまamazonでマストバイする。特に二枚目の八曲目をエンドレスで聴いている。NINもそうだけど、重低音楽にピアノが入ってるものに拙僧は弱い。ジマー節が主流となりつつある大作洋ゲースコアだけど、こういう方向にもどんどん行って欲しいところ。

http://www.sonypictures.com/homevideo/district9/site/?hs317=district9+entertheatricalsite

・そういえば「HALO」で思い出したピーターの「第九地区」。本当は実写版「HALO」だったが、帝国がお金を出してくれなかったから、別物になっちゃった代物。けど、予告だけでも作品のクオリティが滅茶苦茶高い。アームスーツのコックピットで、実写「アイアンマン」同様、目の前にホログラムインターフェースがボンボン出てくるのが個人的にツボ。早くソフト化されるなり、劇場公開してくれ。


・年末なので、大掃除をしていたら、押入れから昔のコロコロコミックが出てくる。懐かしい。今じゃ、別のカードゲームになってしまった「デュエルマスターズ」でギャザリングにハマリ、「マナ」という言葉を覚え、それがギャザリングフリークの伊藤脚本な平成ガメラで使われて、一人勝手に興奮したり、小学館の陰謀か、コードうねうね大友な「スプリガン」をやたらプッシュされたせいで、親の手を引っ張って今は無き本八幡駅前の映画館で観て、意味不明な内容に興奮し、ナイツやらバーチャ、バーチャロンなどなどをせがた三四郎が何故か強く推薦していたせいで、クリスマスにサターンを藤岡(恐らく)サンタさんから貰い、セガっ子になってしまい、「パンツァードラグーン」を知らない任天堂で浮かれたクラスから孤立したり、コロコロ懸賞で当たった「クラッシュバンディクー3」で、「のおおてぃどおっぐ!じゃあん!」と、レア社に次いで、ゲーム開発会社を覚えたり、少なからずこの雑誌によって自分の土壌が築き上げられたようなもんです。

で、コロコロの漫画の話なんだけど、「ROOKIES」より新しすぎた、不良高校野球ものの「駆けろ!大空」やら、今なら西村映造がやってもおかしくないような少年ゴア漫画「サイファー」で、幼少の節僧の心を鷲掴みにした漫画家かとうひろし氏。氏の公式サイトに行くと、今から当時の漫画が「全て」見れる贅沢ぶり。「ナックルボーイ」とか懐かしすぎる……。

http://kato-manga.sakura.ne.jp/

個人的に「怪魍奇譚」の心霊写真と遺影の回が、主人公キャラとのギャップのお陰か異常に怖すぎるんだが……。

・結局「MOVIE大戦」もアレだったので、実写化すべきライダーは、もはやこれしかない!ライダーマンと、六話最後のカットが燃える!

http://www.h7.dion.ne.jp/~n_circus/hybrid/hi0001.html

初音よりくまうたは新しすぎた

シャマランのハプニング、黒沢清の回路を彷彿させる「みんなで飛び降り自殺」のサラダボックス。空港建設の反PRだそう。落ちる前、何かに当たって絶命するって、キャメロンのタイタニックがトラウマなんだが……。