右舷被弾は漢のロマン

スター・トレックを見た。ゲッターロボのように、新が真だそうで、いままでのものとは別次元のお話だそう。タイムリーなことに、友人の勧めで田中芳樹御大のタイタニアと銀英伝(監督が同じだと最近知った)を見始めたせいか、妙に芳樹フィルターというものが出来てしまっている。U.S.Sエンタープライズが、ブリュンヒルトに見えてくる不思議。

DS9をかじったぐらいで、劇場版の1と、傑作と名高いファーストコンタクトと、コケたネメシスを見た程度の知識しかない拙僧でも、充分製作者のキャラ愛を感じられる内容でした。

「緑血野郎」なツンデレスポックとかキャラ萌えする製作者の愛より、リメイクされたギャラクティカ同様、トニー・スコットよろしく、逆光のフレアを多用した手持ち風のカメラワークで、戦艦を潜水艦に見立てるような演出は滅茶苦茶燃える。冒頭から、U.S.Sケルヴィンとロミュラン艦の弾幕ドンパチで燃えない男子はいまい。ILMの職人技が素晴らし過ぎる。

潜水艦や戦艦映画のいいところっていうのは、密室(船上)で多数の職業人間が、ひとつの船を動かして、敵を撃破することによる快楽だと思うけど、まさかスター・トレックで弾詰めてるとこまで見せてくれるとは……転送とか、機関だとスコッティ(サイモン・ペッグというだけで萌える)まかせにするくせに、どうしてそういうとこだけアナログなんだ!?という突っ込みを言わせれば、この映画の勝利は確定していた。

それにしても、メダル・オブ・オナーからマイケル・ジアッチーノの音楽を気に入っていたんだが、今作のリメイク音楽が素晴らしすぎて(特にラスト)、涙腺が緩み、思わずサントラを買ってしまった……。