キムチ・ウエスタンって美味しいの?

「バッド・グッド・ムービー(スカした芸術系映画)よりグッド・バッド・ムービー(良質なB級娯楽映画)を標榜する監督ならではの快作」と、何処かで「スキヤキ・ウエスタン・ジャンゴ」のとき謳っていた。

「グッド・バッド・ウィアード」。相変わらず「シュリ」から銃撃戦をしっかり撮れるお隣が羨ましい。なんちゃって西部劇が空回りしていた「スキヤキ〜」。マシな銃撃を一本も撮る事ができないこの国に失望した作品である「亡国のイージス」(阪本さんなのに!)や「フリージア」なんかに比べれば、この映画は全然マシな方の出来です。冒頭の長カットで見せる列車襲撃、劇判、タイトルドーン!という、ボンクラ方程式からまず、日本のソレと違うもん。

一見すれば、岡本喜八の「EAST MEETS WEST」の雰囲気に似ているけど、満州占領下の朝鮮の荒野で、お宝争奪戦という内容が、山田正紀の「崑崙遊撃隊」のようで燃える。アナルネタ(カンチョーで日本軍を全滅させるタイ映画を見たな……)「G.Iジョー」から、やたら脱ぎまくるイ・ビョンホンとか、遊びに遊びまくっている本作。スタッフ、キャスト全員で記念ポーズをした写真を、よりによってエンドロールに掲載するという、「ギララの逆襲」以来の壮絶に寒いものも見ることができます。